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リトルスター第三章

        第三章はじめて目にした敵。私たちの能力

「誰? 」
サキはドアから先10mほどのところにいる人らしき人を見て驚いた。人の形はしてるけど形だけで、他の見た目などは何もかも普通じゃない…。
「(アスカはどこ?)」
「サ…サキー!助けてー。」
ふと声の聞こえた方を見るとそこにはアスカの首を絞めているもう一人の人の形が。
「アスカ!(だめ。私一人じゃ助けられないハルたちを呼んでこなきゃ)」
3人を呼ぶためにサキは勢い良くドアを開いて、
「ナオー!ハルー!助けてー!」
しかしシェルターの扉をたった一つ開いただけでは中に声は届かない。
(ナオ。ハル。アミ。はやく。早く着て!)
サキはそう強く祈った。すると…。

「サキ。大丈夫?」
「ア、 アスカが。」
 ナオはアスカの姿を見てこう言った。
「この世に必要無き者、この世に存在する価値なし。ここより立ち去れ!! スタック!
そして、この世に必要あるものは救わねばならん!スターにより分けられよ。」
(何かさっぱりわかんねー(ハル))
「マイン!」
ナオが唱えた瞬間敵らしきものは消えた。
「ナオ。ありがとね。」
アスカは恥ずかしそうに言った。その後は黙ってうつむいた…。
「アスカ?」
そういってサキとアミはアスカのところへ。
「今までほんとごめんね。足が悪くなってから何もかも人一緒にしかできなくて。それが迷惑じゃないかと思うと、すごくつらくて。けどそれを誰にもいえないまま毎日が過ぎちゃって。一言はなすだけで楽になれたのに。いっつも一人ぼっちだったの。だから言い出せなかったの。ほんとにほんとにごめんね。みんな。」
アスカは泣きながら言った。ナオは何も言わない。サキはアスカの肩に手をかけ。
「私はまだ、3人のことあんまり知らないけどさ。相談くらいなら聴いてあげられるからさ。ねっ!」
ここでアミがきりだした。
「実はね。私は知ってたんだ。アスカのこと。人にはあまり言ったことなかったの。私ね、人の心が読めるんだ。秘密にしててごめんね。それを知ったらつらいかなって思って。3歳ぐらいからこの能力の存在を知ったんだけど自分も知りたくないことも知ってしまっていえなかったの。ごめんね。」
みんな始めてアミの能力を知った。
「なぁ。それよりさっきのアレが敵ってやつか?」
ハルが不思議そうに聞いた。
「よく分からないけど。そうだと思います。なんせ私たちも実際に見たのは初めてなので…。」
ナオはスラッと言った。
「なぁ。アスカとナオの能力って何だ?」
ハルは聞いた。そのころ外はずいぶん暗くなった。
「私の能力は…。」
少し間を開けて続きを話し始めた。
「二つあるの。ただし一つは自分で封印を施してあるからとかない限り使えないわ。というより使わないの。その力は未来を見る力なんだけど。何故使わないか分かる? 」
ナオが聞いた。
「なんかあったのか?」
ハルが即答した。
「両親が事故で死んじゃったの。分かっていたのに助けることができなかった。それ以来は使っていないの。」
ナオはすごく悲しい顔をしている。
「(あっ。ナオ)」
サキは何か言おうとしたが声になっていなかった。
「そしてもう一つは魔法を使えること。」
「魔法ってどんな?」
ハルとサキは興味しんしんで聞いた。
「例えばさっき野間法。あれは3つ使ったけど。マインはね私が今使える中で一番威力のある魔法なの。体力がかなり必要だから、一日に一回しか使えないけどね。後に言った長い言葉の中のスタックはね敵の持っている力を少しだけ弱める魔法なのスターはね普通の人間がその敵の近くにいるときバリアを張って攻撃が当たらないようにするの。けどこれからだんだんと私達も敵達も能力が上がってくるからスタックとスターはもう使えなくなってしまう。」
「なぁ。他にはどんなくらい使えるんだ?今使えるやつで。」
「そうね~。ざっと30くらいかな~。」
「さっ、30!?」
ハルは驚くばかりだ。
「あっでも、回復魔法も入れてだから、まだ少ないほうだよ。多分…。」
「やっぱすごいね~。」
サキはわくわくしながら言った。ハルはサキのこんな性格が好きだったりもする。
「早く私も何の能力が使えるのか知りたいな~。」
サキがポロッと言った。するとナオが…
「サキの能力なら分かったよ。」
すらっと言うとこう続けた。
「あなたの能力はね自分の気持ちを人に伝えることよ。さっき戦ったときにね。私たちがまだ外に出る前。『ハル。ナオ。アミ。早く来て』って強く思ったでしょ?その声が私たちに聞こえたの。だからそれがあなたの能力よ。この能力を持った人はもう一つ特殊な能力を持っているはずだからこれから探していきましょ! 」
「それで、三人とも来てくれんだー。私の能力って今気づいたけどこれまでにも使ってたんだろうなぁ。もう一つの能力も早く見つけたい。」
「俺の能力はわかんねーのか? 」
「ハル、あんた何にもやってないのに能力がわかるわけないでしょ?」(注 サキです)
「そうね、今回の戦いで分かったのはここまでよ。まあ、ハルの能力も心配しなくてもすぐに分かるよ。まあ、アスカの能力も発表してもらおっか。」
「うん、話すよ。私の能力はね、この手を使うこと。人や動物のけがを治すことができるの。あまりにひどかったりしたら別だけど…。このけがを治せる能力を自分が知ったのは5歳のときけがをして痛いと思って手をかざしたらそのけががなおちゃったの。けど、事故でけがした足は治せなかった。この力はどれくらい大きくなるのかわかんないけど、そういうことなので。」
「ほ~」
アスカの能力には皆感心したようだ。
「これからどんどん初めて見る敵たちが外へ出てくるようになると思うの。気を緩めないようにして。あと、自分勝手な行動はだめ。今の私たちの能力じゃ一人が一番危ないから…。」
そう言うとナオの顔が急に曇った。
「ナオ?」
サキはナオの顔を覗き込んで言った。
「あ、あのね。さっき母と父は事故でって言ったよね。実は私には兄もいたの。」
「いたって?」
「兄も地球での戦士だったの。けど子供が襲われたって言って一人で助けにいったんだけど子供だけが帰ってきて、私の兄は帰ってこなかった。今はまた新たな戦士として地球かリトルスターのどちらかにいるはずよ。名前は…。」
そういうとナオはパソコンを打ち始めた。カシャカシャ…。
「名前は西野光晴。8歳よ。能力は不明だけど。そのうち会えるといいね。」
「そのうちに会えるんだろ?」
「あのね、今回は戦士の数が多いらしくて会うことのできない戦士のほうが多いみたいなの。だから運が良ければってことになるかな。」
「でも、これからまた新しい人に会えるんだよな。楽しみだ。」
ハルが言うとナオはえっ?という表情をしている。するとハルがこう続けた。
「だって、新しい戦士と会えるなんてすごいことだろ?」
「そっか!」
サキが弾むように言った。
「あのね、思ってたんだけど、何で耳の聞こえない私なんかが戦士なのかな?」
アミが皆の話を(心の声を聞き取りつつ口を見て話を聞く)聞いていて思ったことだった。
「たぶん、ハンデキャップなんか関係ないんじゃないかな。あと、アミの場合はその戦士の能力を使うことによって周りの話を理解することができるじゃない?だからそれでいいんだよ。しかも障害とかなんやかんやって言ってると差別につながってくるしね。昔はそれも地球の問題になってたんだよ。」
サキはこの言葉を何も考える間もなしにすらっと言った。
「よしっ!今日の話はここまで!明日は一度リトルスターへかえろうぜ!」
「うん。じゃあ。もう休もうか。」
ここから寝るまでの時間のすごし方は人それぞれなのでご想像にお任せします。(笑)
「じゃあ、おやすみー。」
こうして長い一日は終わった…。
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